ピューロマジック (Puro Magic) | 競走馬データ - netkeiba

2026年のスプリンターズステークスを制したのは、なんと、9番人気のピューロマジックでした。
いやー難しい競馬でしたね!
大外16番枠から果敢に先頭へ。
最後の直線ではワールズエンド、サウンドモリアーナ、スターアニスなどが迫りましたが、それでも最後まで先頭を譲らず。
勝ちタイムは1分9秒2。
2着ワールズエンドとはクビ差でしたが、前日の雨の影響で馬場は稍重。スピードだけでは押し切りにくい条件の中でのGⅠ制覇でした。
しかもピューロマジックにとって、スプリンターズSは今回が3度目。
過去2回はいずれも8着でした。
なのに!
今回の勝利は、単なる「逃げ切り」ではなく、これまでの経験と成長が結びついた結果だったのではないでしょうか。
では、ピューロマジックは本当に強い馬なのか。
今回はスプリンターズSの内容から、5つの強さを考えていきましょう!
まぁそれでもね、10着ほどまで大差ないので、本当皆接戦だったかなと思います。
目次
- ① やはり最大の武器は「スピード」
- ② 大外16番から逃げ切った
- ③ 「逃げるだけ」の馬ではなくなっている
- ④ 道悪でもスピードを落とさなかった
- ⑤ 夏から秋まで走り続けた充実度
- ピューロマジックは本当に強いのか?
- これからのピューロマジックにも注目
① やはり最大の武器は「スピード」
ピューロマジックを語るうえで、まず外せないのがスピードです。
これはもう、この馬の最大の武器と言っていいでしょう。
2026年は函館スプリントSを1分7秒4で逃げ切ると、続くアイビスサマーダッシュでは1分0秒ではなく、芝1000mを53秒5というJRAレコードで走破。
しかもアイビスサマーダッシュでは、外ラチ沿いを先頭で進み、そのまま後続を振り切りました。
つまり、
「短距離で速い」
というのは間違いありません。
ただし、今回のスプリンターズSでは、単純に速いだけではありませんでした。
前半から速い流れを作りながら、最後まで粘っています。
JRAによると、ピューロマジックは前半を32秒台で飛ばすようなスピードを持っており、それが最大の持ち味とされています。
この「最初から速い」という能力は、1200m戦では非常に大きな武器になります。
② 大外16番から逃げ切った
今回、個人的にかなり評価したいのがここです。
大外16番枠。
普通なら、逃げたい馬にとって楽な枠とは言えません。
内側には他の馬がたくさんいます。
そこから先頭に立つためには、スタートしてから外を回りながら前へ出ていく必要があります。
実際、岩田望来騎手はレース後、スタートの一歩目について「速くない」と話しながら、それでもピューロマジック自身の二の脚でハナを奪ったと説明しています。
ここが面白いところ。
スタート一発で飛び出すというより、
そこからの加速力で前へ行ける。
これがピューロマジックの特徴です。
そして今回は3馬身ほどのリードを保ったまま直線へ。
最後はワールズエンドがクビ差まで迫りましたが、ピューロマジックはその追撃をしのぎました。
大外枠から自分の形を作り、そのままGⅠを勝った。
これはかなり強烈な内容です。
③ 「逃げるだけ」の馬ではなくなっている
ここは今回の勝利で改めて注目したい部分です。
ピューロマジックは逃げ馬。
そう考える人は多いでしょう。
もちろん、それは間違っていません。
ただ、以前と現在では少し違う馬になってきているように見えます。
安田翔伍調教師は、以前のピューロマジックについて、気性の荒さがあり、我慢を覚えさせることが課題だったと話しています。
そのため、より速い馬がいるレースに出して後ろから競馬をさせるなど、経験を積ませてきました。
そうした経験を経て、現在は「我慢が利く逃げ」ができるようになったと説明しています。
これはかなり重要です。
逃げ馬にとって、
速く走れること
と、
自分でペースをコントロールできること
は別物です。
最初から最後まで全力で走ってしまえば、当然最後に苦しくなります。
しかし、ピューロマジックは経験を重ねることで、少し息を入れながら走ることを覚えてきた。
だからこそ、今回のようなGⅠでも最後まで脚を残せたのではないでしょうか。
④ 道悪でもスピードを落とさなかった
今回のスプリンターズSは、馬場状態もポイントでした。
前日の雨の影響で、芝は稍重。
勝ちタイムは1分9秒2。
前年の1分6秒9から大きく時計がかかるコンディションでした。
そしてピューロマジック自身も、こうした馬場がどうかという不安があったようです。
岩田望来騎手もレース後、馬場状態について気にしていたと話しています。
ところが、結果は逃げ切り。
これは面白いですよね。
ピューロマジックといえば、
高速馬場でスピードを生かす馬
というイメージが強い。
ところが今回は、パワーも求められる馬場でGⅠを勝った。
JRAも今回の勝利について、「パワーを要する馬場をスピードで克服した」という趣旨で評価しています。
もちろん、今回だけで「道悪も得意」と断定する必要はありません。
しかし、
自分の得意な条件ではないかもしれない状況でもGⅠを勝ち切った。
これは大きな収穫でしょう。
⑤ 夏から秋まで走り続けた充実度
そして最後に注目したいのが、今年の充実ぶりです。
2026年のピューロマジックは、
函館スプリントS
↓
アイビスサマーダッシュ
↓
セントウルS
↓
スプリンターズS
という流れで戦ってきました。
函館スプリントSを勝ち、アイビスサマーダッシュも勝利。
セントウルSでは2着。
そして最後にスプリンターズSを勝ちました。JRAのサマースプリントシリーズでも、26ポイントを獲得してチャンピオンに輝いています。
つまり今年は、
夏に強かっただけではない。
その勢いを秋のGⅠまで持ってきたわけです。
競走馬にとって、夏場から何度もレースを使いながら状態を維持するのは簡単ではありません。
それでも重賞を連勝し、GⅡで2着に入り、最後にGⅠまで勝った。
現在のピューロマジックには、かなり高い充実度があると考えられます。
ピューロマジックは本当に強いのか?
では結局、ピューロマジックは本当に強いのか。
今回のスプリンターズSを見る限り、現在の短距離路線でトップクラスの存在と考えていいでしょう。
特に、
- 圧倒的なスピード
- 二の脚の速さ
- 大外枠から先頭に立つ能力
- 我慢を覚えた精神面
- 道悪でも崩れなかった対応力
- 夏から秋まで維持した充実度
このあたりは大きな武器です。
そして面白いのが、今回の勝利が「初めてスプリンターズSを走って勝った」というものではないこと。
2年前、そして昨年もこの舞台を経験して、どちらも8着。
それでも諦めずに経験を積み、3度目の挑戦で頂点までたどり着きました。
競馬では、同じ馬でも1年後、半年後にまったく違う姿を見せることがあります。
ピューロマジックはまさに、その成長を見せてくれた馬なのかもしれません。
これからのピューロマジックにも注目
スプリンターズSを勝ったことで、今後はさらに大きな舞台が見えてきます。
馬主サイドからは、条件が整えば香港遠征も視野に入れているとのコメントが出ています。
国内で完成したスピードが、海外のトップスプリンターを相手にどこまで通用するのか。
これは非常に興味深いところです。
今回のGⅠ制覇で、
「夏に強い牝馬」
というイメージから、
「秋のGⅠを勝つスプリンター」
へと、一気に立場を変えました。
ピューロマジックが本当に短距離界の中心になるのか。
それを判断するには、これからのレースを見る必要があります。
ただ、少なくとも2026年のスプリンターズSで見せた走りは、単なる勢いだけでは片付けられないものだったと思います。
速い。
そして、
我慢できる。
さらに、
経験を重ねて成長している。
この3つが揃ってきた今、ピューロマジックはかなり面白い存在になりました。
次にどんな走りを見せてくれるのか。
秋の競馬では、この馬から目が離せません。
